ベルガモットとは？種類や効能・精油の活用方法を紹介

【ベルガモット】は、ミカン科の常緑低木植物の果皮を圧搾して精油を抽出します。主に香料として栽培され、その果実は食用にはあまり向かないものの、その果汁は古くから薬用としてイタリアの民間療法で重宝されてきました。16世紀には消毒剤や解毒剤として、17世紀にはイタリア人調香師によって世界最古の香水とされるオーデコロン『ケルンの水』に使用され、ナポレオンの時代には大変人気となりました。名前の由来は、最初に栽培されたとされるイタリア北部の小都市ベルガモ市からという説のほか、トルコ語の「梨の王」に由来するという説もあります。現在では、精油は紅茶アールグレイの香り付けやコロンなどに使われています。
ベルガモット精油の主要な化学成分は、エステル類の酢酸リナリルとモノテルペンアルコール類のリナロールで、これらが爽やかさの中に華やかで上品な甘さをもたらします。これらの成分には、鎮静・抗不安作用や抗うつ作用があるため、神経の緊張やストレスを軽減し、リラックスと安眠、明るい気持ちをサポートします。また、抗菌・抗炎症作用による肌荒れの改善、消化促進・健胃作用による胃腸の働きのサポートも期待できます。
ベルガモット精油は、そのオイルに強力な殺菌作用があり、薬品や香料として世界的に需要が高いため、他の柑橘類と比べて高値で取引される傾向にあります。また、品質の良いベルガモットの生育にはイタリア南部のレッジョ・ディ・カラブリア地方など生育条件の厳しい特定の地域が必要とされることも、価格に影響する要因となっています。

明るく華やかさを感じるシトラスの香り

ベルガモットの香りはシトラス系のみずみずしく甘い香りの中にほんのり皮の苦味を感じます。明るく華やかな香りは、心を落ち着かせ、明るく前向きにしてくれます。紅茶のアールグレーの香り付けとしても浸透しており、甘みとすっきり感を思わせます、この香りには混乱の軽減、活気の増加、心の疲労低下などの研究結果も得られています。

ライム

東南アジア、メキシコやインドなどで栽培されるライムはフレッシュで明るく楽しい雰囲気を思わせる香りをもち、抗炎症、抗菌、鎮静、鎮痛、食欲強壮などベルガモットと似た作用があります。レモンと同じ用途で使用されることが多い精油です。ベルガモットとは同じ成分が多く含まれることとから近い柑橘類ではないかと考えられています。

ビターオレンジ

ネロリやプチグレンの原料となるビターオレンジは、ベルガモットと色や形がよく似た近縁の柑橘系の植物です。ビターオレンジの皮を乾燥させたものは生薬や香り付けに使用され、ベルガモットと似た用途で用いられますが、フロクマリン類（ベルガプテン）をほとんど含有しないため、光毒性（光感作）の心配はありません。この精油には、抗不安、高揚、消化促進、神経強壮、鎮静、鎮痛、リンパ刺激などの作用があります。一方、ベルガモット精油の原料植物はミカン科のベルガモットオレンジ（Citrus bergamia）であり、この植物自体に品種違いはほとんどありませんが、抽出方法によって精油の性質が異なります。圧搾法で抽出された通常のベルガモット精油は、ベルガプテンを含むため光毒性がありますが、水蒸気蒸留法（または再蒸留・精製処理）を用いた精油は「フロクマリンフリー（FCF）」や「ベルガプテンフリー」と呼ばれ、光毒性の原因成分が除去されているため日中でも肌に使用できます。

安眠作用

ベルガモットの主成分となっている酢酸リナリルは鎮痛、鎮静、抗炎症などの作用があります。神経の緊張を緩和し、体の痛みや心の不安を軽減することで心地よい睡眠に導いてくれます。また、神経の高ぶりによって睡眠の浅く短いときにも抗不安などの作用から睡眠の質の向上につなげてくれます。

お肌を引き締めてくれる作用

リモネンや酢酸リナリルなどの成分を多く含むベルガモット精油は、スキンケアにおいて高い効果を発揮します。その抗菌作用、抗炎症作用、消毒作用により、ニキビや吹き出物ができやすい脂性肌のケアに役立ち、肌荒れを防ぎ、炎症を抑えて痛みや感染症の予防にも期待できます。また、皮脂分泌のバランスを調整する働きがあるため、オイリー肌の制御に適しています。さらに、収れん作用によって肌を引き締めることで、炎症などによる傷を目立たなくする役割や、美白効果によるくすみや色ムラの改善、肌のトーンを均一にする手助けも期待されます。デオドラント効果も期待できるため、フットケアなどにも使用されますが、精油には光毒性があるため、肌に使用する際は、フロクマリンフリー（ベルガプテンフリー）の精油を使用するか、使用後に肌を紫外線に当てないように細心の注意が必要です。

感染症への作用

抗感染症、抗ウイルス作用を持つので、単純ヘルペスウイルスが原因となる口唇ヘルペスや水疱瘡、帯状疱疹などの炎症を抑え、感染症の抑制や予防にも役立ちます。この感染症はウイルスの付着した皮膚や粘膜と接触することで感染が広がります。ウイルス自体は体内に存在しているものですが免疫力の低下などによって発することがあります。ストレスの緩和によっても発症の抑制に繋がります。

うつ状態への作用

ベルガモットは『天然の抗うつ剤』と呼ばれるほどうつ症状に対しての作用が知られています。うつ症状は強い不安やストレスによって食欲不振や不眠、意欲低下などの症状が現れ、心身にもさまざまな症状が現れます。ベルガモットは抗うつ、高揚、鎮静などの作用を持ち、心を落ち着かせ、ネガティブな感情から開放する手助けをしてくれます。自発性や心の活力を呼びざましてくれ情緒の安定にもつなげてくれます。

消化器官への作用

胃腸の働きを刺激してくれ、消化促進を行いを得意とします。神経系の不調による食欲不振や消化不良などにも働きかけてくれます。促進だけでなく、調整を得意とするため、不安やストレス、イライラ、欲求不安など情緒の不安定による暴飲暴食にも作用してくれます。

ベルガモット+ベルガモット女性特有の悩み

ベルガモット精油は、優れた抗うつ作用と鎮静作用を持ち、PMS（月経前症候群）や更年期に伴う気分の落ち込み、不安、イライラといった精神的な不調の緩和に特に有効です。また、鎮痙作用により生理痛のような筋肉の緊張を伴う症状の緩和に役立つとされます。さらに循環促進作用も期待できるため、冷えの改善やむくみのケアにも推奨されます。

ベルガモット+スピリチュアル

ベルガモットは、その明るい香りが内なる喜びの回復をサポートし、ネガティブなエネルギーを取り除くためのエネルギーの浄化に用いられます。精神的な側面では、ハートチャクラ（第4チャクラ）の開放を促し、愛と思いやりの流れをサポートするとともに、ソーラープレクサスチャクラ（第3チャクラ）の活性化を促し、自信と意思の力を強化するとも言われています。不安や抑圧された感情を解放し、心の変容をサポートするため、瞑想やヒーリングセラピーにも適しています。

不安やストレスで食欲が止まらない時

過度なストレスや不安、イライラなどで欲求不満から食べることが止められなくなることがあります。また、このような症状は睡眠不足からも影響しており、睡眠不足によって自律神経やホルモンバランスが乱れ、過食に拍車がかかってしまいます。ベルガモットは神経系に働きかけ、調整を行ってくれます。ストレスやイライラ、不安など心的な原因にも作用してくれ、抑制に繋がります。

不眠でつらい時

ストレスや不安が大きくなると、神経が過敏になったり心身の緊張がほぐれず不眠に陥ってしまいます。ベルカモットの酢酸リナリルやリナロールなどが多く、抗不安、ストレスの緩和などの作用があります、不安やストレスが和らぎ、心身のリラックスにつなげ、安眠に導いてくれます。

便秘で困った時

消化器系の不調に働きかけてくれるベルガモットは便秘にも作用してくれます。便秘は食事の偏り、水分不足等によっても起こり、ストレスが原因になることもありあります。ベルガモットの成分には胃腸の働きを促してくれる働きがあり、消化不良にも作用してくれます。胃腸の動きが刺激されることで便秘の緩和にも繋がります。

お肌を引き締めたい時

うっ滞除去や収れんの作用のあるピネンやリモネンを多く含むことからシワやシミ、お肌の引き締めにも役立ちます。利尿作用もあり、浮腫みの改善をはかり、緩んだ筋膜を引き締めてくれるので手足の引き締めにもおすすめです。

アロマバス

【用意するもの】フランキンセンス5滴、ペパーミント2滴、ベルガモット3滴【使用方法】お湯を張った湯船に各精油を垂らし混ぜます。ゆっくり入浴します。沈んだ気持ちを明るくし、頭の中をクリアにしてくてます。呼吸も楽になるのでストレスや不安の緩和にも繋がります。抗うつに定評のあるベルガモットは気分転換にもおすすめです。

足浴

【用意するもの】お湯を張ったバケツ又は足浴器、ベルガモット3滴、ジュニパー2滴、サンダルウッド2滴【使用方法】お湯を張ったバケツ又は足浴器に各精油を垂らし入れ混ぜます。ゆっくり足浴を行います。うっ滞除去や収れんを得意とするブレンドなので浮腫みのケアにおすすめです。足浴は高齢の方や夏場、体調が優れない方へも負担が少なく行えます。蒸気で香りが広がり爽やかな香りに包まれます。

芳香浴

【用意するもの】アロマライト、ベルガモット3滴、ラベンダー4滴、イランイラン2滴【使用方法】アロマライトの受け皿に各精油を滴数垂らして芳香します。睡眠前に寝室で芳香していただくと香りが広がり、睡眠中も香りにつつまれるので睡眠の質の向上におすすめです。

スキンケアオイル

【用意するもの】キャリアオイル30ml、ベルガモット2滴、フランキンセンス5滴、ジャーマンカモミール2滴【作り方】キャリアオイルに各精油を垂らし入れ混ぜてブレンドオイルを作ります【使用方法】お肌の気になるところに塗布することで保湿、引き締めなどになりシミ、シワ、たるみの改善、予防に繋がります。※ベルガモットは光毒性があるため、お肌に塗布後は2時間ほど紫外線を避けてください。※ブレンドオイルは作成後、高温多湿を避け、冷暗所で保管した上で1ヶ月程度で使い切ってください。

マッサージオイル

【用意するもの】キャリアオイル40ml、ベルガモット3滴、グレープフルーツ2滴、ジュニパー3滴【作り方】キャリアオイルに各精油を滴数垂らし、混ぜてブレンドオイルを作成します【使用方法】体、特に足や二の腕などのマッサージに活用していただくと燃焼、脂肪の分解、老廃物の排出にもつながるのでおすすめです。※ブレンドオイルは作成後、高温多湿を避け、冷暗所で保管した上で1ヶ月程度で使い切ってください。光毒性（光感作）があるので、使用後数時間は直射日光を避けてください。

アロマディフューザー

【用意するもの】アロマディフューザー、ベルガモット2滴、ジャスミン2滴、スイートオレンジ4滴【使用方法】アロマディフューザーに水と各精油を滴数入れて芳香します。このブレンドは人間関係に疲れた時や孤独を感じた時に気持ちを前向きにしてくれるのにおすすめのブレンドです。香りのリラックス作用で安眠にも繋がります。

実際に使用した方のリアルな声をご紹介

・「紅茶のアールグレイが好きで、この香りが精油でも楽しめると知って感動しました。リフレッシュしたい朝にぴったりです。」
・「肌が敏感で不安でしたが、キャリアオイルに混ぜて使用するとトラブルもなく、むしろ肌が明るくなった気がします。」
・「仕事終わりに足浴で使っています。気持ちがスッキリして、夜もぐっすり眠れます。」
・「香りに癒やされるだけでなく、胃の調子が整ったように感じることもあり、手放せない精油の一つです。」

これらの体験談は、ベルガモットが持つ多面的な効果を物語っています。今後もユーザーの声を反映して、リアルな情報を追加していきます。

ブレンドで深まる香りの魅力

ベルガモットはシトラス系でありながらフローラルさを併せ持つ希少な香りで、幅広い精油とのブレンドに適しています。以下は特におすすめの精油とその効果です：

・ラベンダー：安眠やリラックスに。夜のアロマバスに最適。
・ゼラニウム：ホルモンバランスを整え、甘くフローラルな香りが加わります。
・サンダルウッド：ウッディな落ち着きが加わり、深い瞑想やリラックスタイムに。
・フランキンセンス：呼吸を深める効果があり、心を整えるのにぴったりです。

ブレンド比率の目安：ベルガモット4滴＋相性の良い精油2～3滴（お好みで調整）

ストレス社会で頑張る男性へ

ベルガモットは爽やかでクセのない香りのため、男性にも非常に人気があります。実際に以下のような効果を期待して使う方が増えています：

・プレゼン前や会議前の緊張を和らげる
・帰宅後のリラックスタイムやバスタイムに使用して疲労回復
・ストレスによる消化不良や不眠のケアに
・爽やかな香りが好印象を与えるため、ビジネスシーンでの印象管理にもおすすめ

男性のセルフケアとして、日々の生活にアロマを取り入れることは、精神面の安定や健康維持にもつながります。

ベルガモット精油（圧搾法抽出）には光毒性（光感作）があるため、皮膚に使用した後は数時間から12時間は紫外線（直射日光）に当たらないよう注意が必要です。光毒性を避けるための国際的な推奨最大濃度は、皮膚への使用で0.4%以下とされています。ただし、光毒性の原因成分であるフロクマリン類を取り除いたベルガプテンフリー（フロクマリンフリー）の精油も流通しており、こちらは光毒性の心配なくお肌に使用できます。

【原料植物名】ベルガモット
【別名・和名】ベルガモットオレンジ
【科名】ミカン科
【学名】Citrus　beramia
【主な産地】イタリア　、南アジア、南フランス
【主な抽出部位】果皮
【精油抽出法】圧搾法
【成分の一例】モノテルペン類リモネン、エステル類酢酸リナリル、アルコール類リナロール、フロクマリン類ベルガプテン、ベルガモテン 、モノテルペン類β-ピネン
【ノート】トップノート

本記事ではベルガモットについて学びました。興味のある精油についてひとつひとつ深く学んでいくのは楽しいですね♪「もっとアロマを学んでみたい！という」お気持ちがございましたら、是非日本アロママイスタースクールをご検討下さい。アロマテラピーは奥が深くて楽しいですよ。

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