ローズ(アブソリュート)とは?
種類や効能・精油の活用方法を紹介
華やかな香りでフレグランスや美容液、化粧品としても一般的に使用されているバラ。アロマテラピーでも華やかな香りが人気ですが、揮発性有機溶剤抽出法で作られたバラの精油を【ローズ・アブソリュート】、水蒸気蒸留法で作られたバラの精油を【ローズ・オットー】といいます。2つの抽出方法で得られる精油の違いを含め、ローズ・アブソリュートの香りや効能の魅力・おすすめの使い方を詳しくご紹介します。
エジプトの女王クレオパトラが愛した花として有名なバラは、イラン、トルコ、ブルガリアなどを主な産地とするバラ科の植物です。人々とバラの関わりは紀元前3000年頃からとされ、古代メソポタミアのギルガメッシュ叙事詩や古代ギリシャ、ローマ、エジプトなどの神話にも数多く登場します。特にクレオパトラがユリウス・カエサルを誘惑するためにローズの香りを用いたエピソードは有名で、中東のペルシャでは紀元前からローズ水が製造されていました。バラは、愛と美のシンボルとして何千年もの間、世界中の文化で崇められてきました。
同じバラから抽出される精油でも、揮発性有機溶剤抽出法で得られるものをローズ・アブソリュート、水蒸気蒸留法で得られるものをローズ・オットーと呼びます。ローズ・アブソリュートはローズ・オットーに比べ、バラ本来のフローラルで濃厚な香りが楽しめ、香りの持続力もあります。「アブソリュート」という名前は、その抽出方法である溶剤抽出法と、これにより得られる純度の高さ、濃縮されたエッセンスに由来しています。ローズ・アブソリュートは心身への働きがとても有用で、心の安定やスキンケアに重宝されます。特にロサ・キャベジローズ(センティフォリア)の精油は、香りが揮発する直前、花の開花前に一つ一つ手摘みしたものが原料となります。
ローズ精油は非常に希少で高価であり、その理由の一つは極端に低い抽出率にあります。例えば、ローズ・アブソリュートの抽出も難しく、2000個のバラからわずか1グラムしか得られないと言われています(ローズ・オットーはバラの花びら約3,000本から1グラムとされる)。また、バラの収穫は主に5月から6月の年間わずか1ヶ月間に集中し、花の繊細さを保つためにすべて手作業で行われるため、多大な手間がかかります。さらに、他の精油と比べても抽出に時間がかかるなど、プロセス自体も大変です。
ローズ・アブソリュートの主要な化学成分は、54〜65%と高い含有率を占める芳香族アルコール類のフェニルエチルアルコール、モノテルペンアルコール類のシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、フェノール類のオイゲノール、その他にローズオキサイドやダマセノンなどです。このうち、フェニルエチルアルコールは鎮静作用、抗菌作用、抗不安作用を持ち、ローズ・アブソリュート特有の濃厚な香りの主要因であり、水に馴染みやすい性質を持ちます。シトロネロール、ゲラニオール、ネロールといったモノテルペンアルコール類は、抗菌・抗ウイルス作用、抗炎症作用、女性ホルモン様作用(ホルモンバランス調整)が期待され、オイゲノールは鎮痛作用、抗菌作用、抗炎症作用を持ちます。
バラの濃厚な甘さが特徴でフレグランスの原料にもなっています。アブソリュートは華やかでよりバラらしい香りです。この香りはネガティブな感情を緩和させ、心の緊張やストレスを和らげてくれます。華やかな香りは女性らしさも高めてくれ、更年期や生理周期のホルモンバランスの乱れによる心の不調にも気持ちを安定させてくれます。
【ダマスクローズ(アブソリュート)】はダマスクローズから揮発性有機溶剤抽出法で得られる精油です。ダマスクローズはイラン、トルコ、ブルガリアを主な産地としたバラ科の植物で古くからダマスカス地域周辺で栽培されていたことから名前が由来しています。ダマスクローズからはローズ・アブソリュート、ローズ・オットーどちらも抽出可能です。華やかで甘いはちみつを思わせる香りが特徴です。抗菌、抗うつ、殺菌、抗炎症、収れん、鎮静、神経強壮、ホルモンバランス調整などの作用があります。揮発性有機溶剤で抽出することで熱によってダメージを受けやすい成分が抽出できるメリットがあります。一方で、抽出時に使用する有機溶剤は完全に取り切れないというデメリットもあると言われています。
【ハマナス(アブソリュート)】はハマナス(ロサ・ルゴサ)という種類のバラから揮発性有機溶剤抽出法によって得られる精油です。このハマナスは日本原産のバラ科の植物で葉に凹凸があることからこの名前がつけられました。ピンク色の一重の花が特徴で江戸時代に日本からヨーロッパに伝わりました。涼し気なフローラルな甘さですが、バラ特有の香りの成分は比較的少なくなっています。抗菌、抗うつ、殺菌、抗炎症、収れん、鎮静、神経強壮、ホルモンバランス調整などの作用があります。
【ローズ(アブソリュート)】はキャベジローズという種類のバラから揮発性有機溶剤抽出法で得られる精油です。キャベジローズはトルコ、フランス、ブルガリア、モロッコを主な産地としたバラ科の植物です。ピンク色の八重の花から精油が抽出され、フレグランスの原料にもなっています。青みのある濃厚な甘い香りが特徴です。抗菌、抗うつ、殺菌、抗炎症、収れん、鎮静、神経強壮、ホルモンバランス調整などの作用があります。
ダマスクローズ(ローズ・オットー)はダマスクローズから水蒸気蒸留法で得られる精油です。フェニルエチルアルコールという成分を多く含むローズ・アブソリュートに比べて、ローズオットーはシトロネロールやゲラニオールを多く含んでいます。水蒸気蒸留法で抽出するため化学物質を使用しないメリットと、熱によるダメージを受けやすいといったデメリットがあります。香りはローズ・アブソリュートで抽出した精油に比べて、少し柔らかさのある濃厚なバラの香りを感じられます。
【アルバローズ】はアルバローズ(ロサ・アルバ)というブルガリア原産のバラ科の植物から水蒸気蒸留法で得られる精油です。白い花が特徴で白いを意味する【alba(アルバ)】が学名の由来となっています。華やかなバラの香りで明るく透明感のある甘みが特徴です。抗菌、抗アレルギー、抗炎症、殺菌、免疫強壮、抗うつなどの作用があります。
この精油以外にも、アロマの世界はとても奥深いものです。
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美容液や化粧品にも多く使用されているローズ・アブソリュートはスキンケアを得意としています。ホルモンバランスの乱れが原因のお肌の炎症、乾燥、ニキビや吹き出物などに、抗菌、抗炎症、鎮静などの作用をもたらしてくれます。痛みや炎症が和らぐとお肌の回復に繋がり、収れん作用は傷や炎症で起こるお肌のたるみを引き締めてくれます。ホルモンバランスの調整作用もあるので、予防の効果も期待されます。
ホルモンバランスを整えるのが得意なローズ・アブソリュートはエストロゲン(女性ホルモン)の減少などで起こる更年期や生理痛、PMS(生理前症候群)などの症状緩和にも作用してくれます。体の痛みや不快感を和らげるだけでなく、神経の高ぶりや感情の起伏、イライラなども落ち着かせてくれます。ホルモンバランスの乱れが穏やかになることで、症状の予防にも繋がります。
ショックなで出来事や喪失感、悲しみなどに陥った時に、ローズ・アブソリュートの香りは心のバランスを安定させてくれ、心身を優しく包み込んでくれます。傷ついた心を鎮め、過敏になった神経を落ち着かせてくれます。神経強壮作用もあり悲しみや喪失感から立ち上がるきっかけを与えてくれます。
催淫作用やホルモンバランスを整える作用のあるローズ・アブソリュートは女性らしさを高め、心に自信を取り戻させてくれます。美容効果も高いこともありお肌のたるみやシワを引き締め、張りを与えてくれます。女性にとって心身とお肌にとても有用な精油です。
心のバランスを整えるのが得意なローズ・アブソリュートは神経の高ぶりを鎮め、不安や悲しみ、喪失感を和らげてくれるため不眠にも働きかけてくれます。ネガティブな気持ちが緩和され穏やかになることで体の力も抜けやすくなり、眠りにつきやすくしてくれます。心の緊張がほぐれると睡眠の質が高まります。
ローズ(アブソリュート)精油は、女性ホルモンのバランスを整える作用があると言われており、PMS(月経前症候群)によるイライラやふさぎ込んだ気持ち、生理不順や生理痛などの月経に関するトラブルの緩和に効果的です。また、更年期障害による精神的な不調や身体的なトラブルの解消にも役立つとされます。精神的なストレスからくる女性特有の症状を和らげ、自律神経や内分泌系のバランスを回復させる作用が期待されています。
ローズの優美で甘く華やかな香りは、ネガティブな感情を和らげ**、緊張やストレスを緩和**する鎮静作用があります。心を高揚させ、怒り、不安、恐怖などの感情を鎮める抗うつ作用も持ち、心を安定させ自信と安らぎを与えてくれると言われています。愛と美のシンボルとして知られ、女性らしい気分を高めるため、自己肯定感を高めたい時や、感情の安定を求める瞑想などに用いられることがあります。
アロマの香りに、手軽な「ふれあうケア」を組み合わせることで、癒しの効果はぐっと高まります。
「ハンドマッサージ」や「介護メディカルアロマ」など、初心者でも短期間で習得でき、ご家族のケアやボランティアですぐに役立つ技術があります。
ローズ・アブソリュートの優雅で気品のある甘い香りは気持ちを高めてくれ、自信を与えてくれます。催淫作用やホルモンバランス調整作用は心身に作用してくれお肌のアンチエイジングにもおすすめです。
ローズ・アブソリュートの香りは心身を温かく包み込み、失恋や悲しみなどで気持ちがネガティブになった時や立ち直りたい時に背中を押してくれる働きがあります。抗うつ作用や神経強壮作用は本来の気持ちの強さを呼び起こしてくれます。
古くからスキンケアに定評のあるローズはお肌のシミ、シワなどのケアにおすすめです。収れん作用はお肌のたるみやシワを引き締めてくれ、ホルモンバランスが整うことで肌荒れなどのトラブルのケアを行い張りとツヤを与えてくれます。
ホルモンバランスの調整、鎮静などが得意なローズ・アブソリュートは更年期障害の症状の緩和にもおすすめです。女性特有の心身の不調に働きかけ、痛みや不快感、自分ではコントロールできないイライラやネガティブな感情を和らげてくれます。子宮の強壮作用もあり月経前や生理不順などにも有用です。
ローズ・アブソリュートのホルモン調整作用、催淫作用は女性らしさを高めてくれます。感情のコントロールやスキンケアなど心身に作用してくれ、古くから美や若さ、愛などの象徴にもなっています。
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【用意するもの】キャリアオイル30ml、ラベンダー精油3滴、フランキンセンス2滴、ローズ1滴。 キャリアオイルに精油をブレンドし、お肌の気になる箇所に優しく塗布しなじませます。キャリアオイルを使ってお肌に浸透させることでシミ、シワの緩和し、お肌に張りをもたらしてくれます。更年期や女性ホルモンの乱れによって起こる不調にも有用です。※お肌に使用する場合はブレンド精油の濃度を1%以下になるように調整してください。※ブレンドオイルは1ヶ月以内に使い切り、余った場合は破棄してください。
【用意するもの】スプレーボトル、無水エタノール10ml、精製水40ml(なければ水)、ローズ1滴、ジュニパーベリー2滴、サンダルウッド2滴、グレープフルーツ5滴。スプレーボトルに無水エタノール10ml、各精油を入れてしっかり混ぜます。そこに精製水40mlをよく振って混ざったら完成です。心身のリラックスや更年期などホルモンの乱れによる不調の際の芳香におすすめです。※水を使用しているので作成後、高温多湿を避け、冷暗所で保管した上で1週間程度で使い切ってください。
【用意するもの】バスソルト(天然塩)大さじ1、ローズ1滴、フランキンセンス4滴、スイートオレンジ5滴。バスソルトに各精油を混ぜ、お湯を張った湯船に入れてよくかき混ぜます。香りのリラックス効果とお肌からの浸透で美肌や安眠におすすめです。
【用意するもの】マグカップ、お湯200ml、ベルガモット3滴、ラベンダー3滴、ローズ1滴、お湯200mlを入れたマグカップに各精油を垂らしアドラーなどで混ぜます。湯気と共にゆっくり香りが広がり、心身のリフレッシュにおすすめです。
ローズ1滴スイートオレンジ1滴をティッシュに染み込ませ、ハンカチに挟んで吸引していただくと、ローズの華やかで甘い香りとオレンジのフレッシュな香りが楽しめ、明るい気持ちにしてくれます。※精油を直接ハンカチに染み込ませるとオイルのシミができることがあります。
【用意するもの】キャリアオイル30ml、フランキンセンス3滴、ローマンカモミール1滴、ローズ1滴。日焼けやシミ、シワなどのケア、お肌の乾燥に作用してくれます。手以外にも踵や肘など乾燥しやす部分への使用もおすすめです。※オイルは滑りやすいので足裏などに使用した際は滑らないようにしっかり拭き取ってください。※ブレンドオイルは作成後、高温多湿を避け、冷暗所で保管した上で1ヶ月程度で使い切ってください
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香りや作用が強く、持続性も高いため、高濃度での使用は控えてください。妊娠中、授乳中の方は使用しないことをおすすめします。なぜなら、ローズ(アブソリュート)精油は一般的に安全性が高いとされていますが、ローズ・オットーと同様に月経を促す通経作用や子宮強壮作用が指摘されているため、妊娠初期の使用は避けるべきとする見解があります。一方で、ローズ・アブソリュートの主要な薬理効果は鎮静作用や抗炎症作用が主であることから、高血圧やうつ状態に対する明確な禁忌とされる根拠は強くありません。特にうつ状態に対しては、心を高揚させる抗うつ作用が期待できるため、一般的には禁忌とはされていませんが、繊細な精神状態の場合は刺激を与えすぎないよう少量から試す配慮が推奨されます。また、ローズ(アブソリュート)は非常に高価であるため、マッサージなどに多量に使用されることは通常ありません。
【原料植物名】キャベジローズ
【別名・和名】ロサ・ケンティロリア、ケンティフォリアローズ
【科名】バラ科
【学名】Rosa centifolia
【主な産地】トルコ、フランス、ブルガリア、モロッコ
【主な抽出部位】花
【精油抽出法】揮発性有機溶剤抽出法
【成分の一例】アルコール類】フェニルエチアルコール、【アルコール類】シトロネロール、【アルコール類】ゲラニオール、【アルコール類】ネロール、【オキサイド類】ローズオキサイド
【ノート】ミドルノート
アロマ資格の全体像や選び方、アロママッサージの技術については以下のページをご覧ください。
▶ アロマテラピー資格おすすめ比較!費用・期間、選び方を講師が解説
▶ アロママッサージに資格は必要?現場で求められる技術習得の手順
本記事ではローズ(アブソリュート)について学びました。興味のある精油についてひとつひとつ深く学んでいくのは楽しいですね♪「もっとアロマを学んでみたい!という」お気持ちがございましたら、是非日本アロママイスタースクールをご検討下さい。アロマテラピーは奥が深くて楽しいですよ。
ビューティー関連専門学校を卒業後、大手エステティック会社で7年間勤務。
その後、当社直営サロン「Bodysh」で2年間施術経験を積み、平成30年より当スクール講師として活動しています。
現場経験と教育の両方に精通し、これまで多くのセラピストを育成してきました。
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