ハンドマッサージ資格の取得方法とおすすめの資格を10点紹介

ハンドマッサージ資格とは

資格の概要

ハンドマッサージ資格は、手技を用いたマッサージ技術を専門的に学び、認定を受けるための資格です。この資格を取得することで、効果的なマッサージ技術や解剖学、生理学、衛生管理などの基礎知識を身につけることができます。資格取得には、指定されたカリキュラムの修了や実技試験の合格が必要となります。ハンドマッサージ資格には、国家資格や公的資格はありません。さまざなな民間資格が存在し、それぞれ取得要件や認定機関が異なります。これにより、個々の目的やキャリアプランに応じた資格選びが可能となっています。

資格が必要な理由

ハンドマッサージ資格を取得することには、いくつかの重要な理由があります。まず、資格を持つことで専門的な知識と技術を有していることを顧客や雇用主に示すことができ、信頼性が向上します。これにより、顧客の獲得やキャリアアップが期待できます。資格を持つことで法的なトラブルを避け、安全かつ合法的に業務を行うことも可能となります。

さらに、資格取得の過程で体系的な教育を受けることで、最新の技術や知識を習得でき、サービスの質を高めることができます。これにより、顧客満足度の向上にも繋がります。加えて、資格を取得することで独立開業や他の関連分野への転職など、キャリアの選択肢が広がります。継続的な教育や資格の更新を通じて、専門性をさらに高めることも可能です。

資格取得の利点

ハンドマッサージ資格を取得することには、さまざまな利点があります。以下では、資格取得によって得られる主なメリットについて詳しく説明します。

専門家としての信頼性向上

ハンドマッサージの資格を持つことで、専門家としての信頼性が大幅に向上します。資格は、あなたが一定の基準を満たし、専門的な知識と技術を有していることの証明となります。これにより、顧客やクライアントからの信頼を得やすくなり、リピーターの増加や新規顧客の獲得につながります。また、資格を持つことで他のマッサージセラピストや業界内での認知度も高まり、プロフェッショナルとしての地位を確立することができます。さらに、資格を取得していることは、雇用主に対してもあなたの能力をアピールする強力な手段となり、就職や昇進の際にも有利に働きます。

技術向上と職業の幅拡大

資格取得の過程で、ハンドマッサージに関する高度な技術や最新の知識を体系的に学ぶことができます。これにより、実際の施術においても高い技術力を発揮することができ、顧客満足度を高めることが可能です。さらに、資格取得を通じて学んだ知識は、さまざまな状況に応じた柔軟な対応力を養うことにもつながります。技術の向上は、施術の質を向上させるだけでなく、新しいマッサージ手法の導入や特定のニーズに応じたサービスの提供など、職業の幅を広げることにも寄与します。

加えて、資格を持つことで独立開業の道が開けるほか、スパやフィットネスクラブ、リハビリテーション施設など、さまざまな職場でのキャリアチャンスが増えます。資格を活用して他の関連分野への転職や、さらなる専門資格の取得を目指すことも可能です。このように、ハンドマッサージ資格は、技術向上と職業の幅拡大という二つの大きな利点を提供し、長期的なキャリア形成において重要な役割を果たします。

主なハンドマッサージ資格一覧

ハンドマッサージには、国家資格や公的資格はなく、すべて民間資格となっております。下記では主なハンドマッサージに関して学べる資格についてまとめてみました。ハンドマッサージ資格選びの参考にしてみてください。

1.アロマハンドセラピスト（日本アロマ環境協会）

アロマハンドセラピストは、安全にアロマテラピーを行うための知識を持ち、第三者にアロマハンドトリートメントを提供できる能力を認定する資格です。この資格を持つことで、家族や周囲の人々、ボランティア活動や地域活動でアロマハンドトリートメントを実践することができます。

資格取得方法

1. アロマテラピー検定1級に合格する
2. AEAJ（日本アロマ環境協会）に入会する
3. アロマテラピーアドバイザー資格を取得する
4. AEAJ認定スクールでアロマハンドセラピストの標準カリキュラムを受講する

アロマハンドセラピスト（日本アロマ環境協会）の資格情報はこちら

2.ハンドリフレクソロジー資格（日本ハンドセラピスト認定協会）

日本ハンドセラピスト認定協会（JACHT）は、手を使って心を癒す「ハンドリフレクソロジー」の資格を提供しています。ハンドリフレクソロジーは、手を通じて心と身体にリラクゼーション効果を与える「タッチコミュニケーション」とされ、ストレスの多い現代社会における心と身体の癒しとして広まっています。この資格を取得することで、ハンドセラピストとしての認定を受け、家庭や職場、地域社会に貢献できるとされています。

資格取得方法

日本ハンドセラピスト認定協会が主催するハンドリフレクソロジー講座を受講し、所定の認定プロセスを経て資格を取得します。この講座は全国各地（東京、千葉、大阪、名古屋、福岡など）で開催されており、2015年4月以降、毎月定期的に実施されています。

協会の活動

協会は、ハンドリフレクソロジーの講座開催や認定セラピストの育成、認定教室の支援などを行っています。また、2010年に日本リラクゼーションセラピー研究会として設立され、2015年に日本ハンドセラピスト認定協会として正式に発足しました。

出典：日本ハンドセラピスト認定協会

3.日本ハンドリフレクソロジー協会認定資格

日本ハンドリフレクソロジー協会（JHA）の認定資格は、ハンドリフレクソロジーに関する知識と技術を学び、家族や友人への癒しを提供したり、専門的なセラピストとして開業できるスキルを習得するためのものです。資格には「ホームハンドリフレセラピスト」「ハンドリフレセラピスト」「ハンドリフレインストラクター」などのコースがあり、目的やレベルに応じて選ぶことができます。

資格取得方法

ホームハンドリフレセラピストコース
基礎的な知識と技術を学び、家族や友人を癒せるようになります。受講後、修了証が発行されます。

ハンドリフレセラピストコース
ホームハンドリフレセラピストコースを修了後、症状別のケア技術を学び、セラピストとして独立開業ができるレベルを目指します。

ハンドリフレインストラクターコース
セラピストを育成するスクールを開講できるようになるコースで、技術だけでなくビジネス運営も学べます。

取得金額

ホームハンドリフレセラピストコース
テキスト代 11,000円、年会費 5,500円、その他受講料は認定校ごとに異なります。

ハンドリフレセラピストコース
テキスト代 22,000円、年会費 5,500円、その他受講料は認定校ごとに異なります。

出典：日本ハンドリフレクソロジー協会

4.ハンドトリートメント検定（日本アロマコーディネーター協会）

ハンドトリートメントは、どこでも手軽にタッチケアを提供できるトリートメント技術です。JAAのハンドトリートメント検定は、指先から肘までのトリートメントを行い、サロンや出張サービス、イベントなどで提供できる本格的な技術を学びます。着替えも不要なため、利用者にとってもリラックスしやすいトリートメントです。

資格取得方法

ホームワーク講座
自宅でDVDやテキストを基にトリートメント技術を習得し、30件のケースレポートを提出して合格を目指します。

通学コース
認定トレーナーの指導の下、技術を習得し、実技試験に合格するとJAAから合格証が発行されます。

取得金額

講座費用：33,000円（テキスト、DVD、ホホバオイル込み）
トレーナーへの実費として、トリートメント用オイル代が別途必要です

出典：ハンドトリートメント検定（日本アロマコーディネーター協会）

5.介護アロマハンドケアラー（アロマウェルビーイング協会）

介護アロマハンドケアラーは、介護が必要な高齢者や障がいのある方に対して、アロマテラピーを活用したタッチケアを行うための技術を学び、介護施設や病院、家庭などで実践できる資格です。精油の香りとタッチによるケアで、リラックス効果やストレスの軽減を促し、双方のコミュニケーションを深めます。資格を取得することで、介護アロマハンドケアラーとして活動が可能です。

資格格取得方法

介護アロマ基礎理論講座1
高齢者や障がい者向けのアロマテラピーの基礎を学びます（3時間）

介護アロマ基礎理論講座2
介護アロマケアに必要なより詳しい理論を学びます（3時間）

介護アロマハンドケアラー認定講座
ハンドケアの実技を習得し、実技試験に合格すると資格が認定されます（6時間）

取得金額

- 基礎講座1：受講料16,500円、教材費6,755円
- 基礎講座2：受講料16,500円、教材費6,755円
- ハンドケア講座：受講料38,500円、教材費6,000円
- 総額：約91,010円（税込）

資格認定料は10,000円（税込11,000円）、年会費6,600円が別途かかります。

出典：介護アロマハンドケアラー（アロマウェルビーイング協会）

6.ハンドリフレクソロジスト認定（国際セラピスト支援振興協会）

「ハンドリフレクソロジスト」「インストラクター」「セミナーDr.講師」の3つの資格が同時に取得でき、サロン開業や講師としての活動も可能です。ハンドリフレクソロジーの基本的な技術と理論を学び、手の反射区に基づいた施術法をマスターすることができます。さらに、インストラクター資格を取得することで、講師としても活躍の場が広がります。

資格取得方法

- オンラインまたは通信講座形式で受講します。
- 学習内容はDVDやテキストに基づき、実技と理論を学びます。
- 3ヶ月から5ヶ月の学習期間（最長1年まで延長可）。
- 確認問題を提出後、合格すると4つの資格が同時に取得できます。

取得金額

通常価格84,920円（税込）が特別割引で51,810円（税込）となります。資格更新料は不要で、認定証の発行も無料です。

出典：ハンドリフレクソロジスト認定（国際セラピスト支援振興協会）

7.ハンドセラピスト資格（日本統合医学協会）

日本統合医学協会が提供する「ハンドセラピスト資格」は、リフレクソロジーとアロマセラピーの技術を組み合わせ、セルフメディケーションや日常の健康維持に役立てることを目的としています。この資格は、リフレクソロジーの基礎技術とアロマテラピーの知識を学び、自分や家族、周りの人の健康管理に活かすことができます。

資格取得方法

オンライン講座
解説動画を見て、確認テストで学習進捗を確認しながら進めます。

受講期間
1〜3ヶ月（最長3ヶ月）

試験
オンラインで受験し、合格後に資格が授与されます。

取得資格：
日本統合医学協会認定「ハンドセラピスト」と「リフレセラピスト」の2つの資格が同時に取得可能です。

取得金額

通常受講料55,000円（税込）が、キャンペーン価格で19,800円（税込）となっています。受講料には教材やeラーニング講座も含まれています。

出典：ハンドセラピスト資格（日本統合医学協会）

8.JADP認定リフレクソロジスト（日本能力開発推進協会）

JADP認定リフレクソロジストは、フットやハンドの反射区を利用して身体をケアするリラクゼーションの技術を証明する資格です。脳、神経、骨、筋肉などの基礎知識を学び、リフレクソロジー技術を備えたプロフェッショナルであることを証明します。癒しや美容関係、医療・福祉分野での活用が推奨されています。

資格取得方法

カリキュラム修了
JADP認定教育機関でのカリキュラムを修了。

在宅試験
カリキュラム修了後、在宅で検定試験を受験。合否判定は得点率70％以上が合格です。

受験料
5,600円（税込）。合否は答案受付後、約1ヶ月で通知されます。

出典：JADP認定リフレクソロジスト（日本能力開発推進協会）

9.介護リハビリセラピー（日本介護リハビリセラピスト協会）

介護リハビリセラピストは、介護が必要な高齢者に対して、アロマテラピーやハンドマッサージ、リンパマッサージを使ってリラクゼーションや健康管理を行うセラピストの資格です。アロマ精油の使用やタッチケアを通じて、血行促進やストレス軽減、認知症予防など高齢者特有の症状緩和に貢献します。この資格を取得することで、介護施設やデイサービス、訪問介護での活動が可能となります。

資格取得方法

通信講座または1日講座
オンライン学習を通じて自宅で学習し、実技や理論を学びます。

受講後、認定試験
受講後に認定試験を受け、合格者には資格が認定されます。

1日講座
対面での1日集中講座もあります。

出典：介護リハビリセラピー（日本介護リハビリセラピスト協会）

10.介護メディカルアロマセラピスト資格（国際ボディトリートメント技術認定協会）

介護メディカルアロマセラピスト資格は、介護が必要な高齢者や障がいのある方に対して、アロマテラピーを使って心身のケアを行うセラピストの資格です。この資格を取得することで、介護施設や在宅ケアでアロマを活用した施術を提供し、リラクゼーションや健康維持をサポートすることができます。

資格取得方法

- 介護メディカルアロマセラピストコースを修了することで資格が認定されます。
- コースには、ベーシックコースと上級コースがあり、それぞれに対応する知識と技術を学びます。
- 講座を修了後、協会に認定申請を行うことで資格が発行されます。

出典：介護メディカルアロマセラピスト資格（国際ボディトリートメント技術認定協会）

資格取得までの流れ

学校選びの要点

資格取得を目指すための最初のステップは、信頼できる学校やスクールを選ぶことです。選択の際には、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。まず、そのスクールが資格認定機関として正式に認められているかどうかを確認することが大切です。資格が社会的に評価され、職業に直結するものであれば、運営する団体や機関の信頼性は欠かせません。また、講座のカリキュラム内容もしっかり確認すべきです。自分が必要とするスキルや知識がきちんと網羅されているか、実践的な技術が習得できるカリキュラムが組まれているかがポイントです。さらに、学習中に困ったことがあった場合のサポート体制も重要です。講師への質問や個別の指導、フィードバックの質など、学習を円滑に進めるための体制が整っているかを見極めましょう。そして、卒業生の評判やスクールの実績を参考に、信頼できる学校を選ぶことが成功への近道です。

学習内容と期間

資格取得に向けた学習は、理論と実技の両方をバランスよく学ぶことが求められます。まず、理論では、リフレクソロジーやアロマセラピーに関連する解剖学や生理学、さらには身体の反射区についての知識を習得します。これにより、身体の仕組みや健康維持に役立つ理論的な背景を理解できるようになります。次に、実技では、実際の施術技術を習得します。手技やタッチの力加減、特定の症状に合わせた応用技術など、実践的なスキルを身につけることが中心となります。これにより、現場での施術に自信を持って臨めるようになります。学習期間は、コースの内容や学習ペースによって異なりますが、数か月から1年程度が一般的です。特に忙しい人には、自分のペースで学べる通信講座やオンライン学習が便利で、効率よく学習を進めることができます。

試験の概要と対策

資格取得の最終ステップとなるのが試験です。試験は、筆記試験と実技試験の2つで構成されることが多く、どちらも資格取得に必要な知識と技術を確認するものです。筆記試験では、解剖学や生理学、リフレクソロジーに関する理論の理解度が問われます。反射区やアロマテラピーの効果、さらには施術に関する禁忌事項なども出題されるため、広範な知識を持って臨むことが求められます。一方、実技試験では、習得した技術をどれだけ正確に再現できるかが評価されます。施術の手順や手技の流れ、クライアントとのコミュニケーションが適切に行えるかなどがポイントです。試験に向けた対策としては、過去の出題傾向を把握し、理論と実技のバランスをとりながら学習を進めることが大切です。実技に関しては、実際に手を動かして練習することが不可欠であり、指導者からのフィードバックを受けることで技術を磨くことができます。しっかりと準備を整え、試験に臨むことで、合格への道が開けます。

資格取得後の活躍の場

ハンドマッサージ資格を取得すると、さまざまな分野で活躍の場が広がります。以下では、主な活躍の場について詳しく説明します。

施術所での就職

資格取得後、多くの専門家は既存の施術所やマッサージサロン、スパ施設などでの就職を選択します。これらの施設では、資格を持つことで信頼性が高まり、安定した収入を得ることが可能です。施術所では、幅広い顧客層に対してハンドマッサージを提供し、リラクゼーションや健康促進に寄与する役割を担います。また、チームの一員として他のセラピストやスタッフと協力しながら働くことで、技術や知識をさらに磨く機会が得られます。さらに、定期的な研修や勉強会に参加することで、最新の技術やトレンドに対応し続けることができ、キャリアの発展につながります。

独立開業

ハンドマッサージ資格を活かして独立開業することも大きな選択肢の一つです。独立開業することで、自分のペースで働くことができ、提供するサービスの内容や価格設定を自由に決定することが可能です。自分の施術スタイルやコンセプトに基づいたオリジナルなサービスを展開することで、地域に根ざした信頼されるサロンを築くことができます。また、独立することでマーケティングや経営管理のスキルも身につけることができ、ビジネスとしての成長を実感することができます。初期投資や集客の難しさなどの課題もありますが、成功すれば高い収益性と自己実現を達成することができます。

その他の活躍の場

ハンドマッサージ資格は、施術所や独立開業以外にも多様な分野で活用することができます。例えば、リハビリテーション施設や病院では、医療従事者と連携しながら患者の回復をサポートする役割を果たすことができます。また、企業の福利厚生としての社員向けマッサージサービスを提供することで、職場のストレス軽減や健康管理に貢献することも可能です。さらに、教育機関や専門学校でインストラクターとして教えることで、次世代のマッサージセラピストの育成に携わることもできます。加えて、旅行業界やホテル業界などでも、観光客向けのリラクゼーションサービスとしてハンドマッサージを提供する機会が増えています。このように、ハンドマッサージ資格は多岐にわたる分野での活躍を可能にし、柔軟なキャリアパスを提供します。

記事執筆者プロフィール

日本アロママイスタースクール講師：藤井由香（ふじいゆか）

ビューティー関連の専門学校卒業後、大手エステ会社に就職。長年大手の美容・リラクゼーションサロンで勤務し、日本アロママイスタースクール講師に。日本アロママイスタースクール系列サロン「Bodysh」でも勤務をしており、多くの当社の全てを知っている講師の１人です。